SUPER GT Rd.8茂木レポート

AUTOBACS SUPER CTシリーズ第8戦「MOTEGI GT GRAND FINAL」が、11月11〜13日にツインリンクもてぎで開催された。今回はシリーズ初の試みとして、1大会2レース開催を実施。オートポリスで行われるはずだった第3戦の代替レースを予選、決勝ともに土曜日のうちに行い、その余韻もまだまだ残されたまま、改めて第8戦の予選、決勝が行われることとなった。


都筑晶裕と新田守男を擁しフェラーリ488 CT3でGT300に挑むLMcorsaは、公式練習でのクラッシュから見事蘇り、第3戦において予選は8番手につけ、決勝では11位フィニッシュ。あと一歩のところで入賞は果たせなかったものの、すぐに気持ちを入れ替えて第8戦の準備へ。良い流れを取り戻していることは間違いなく、より一層の結果が期待された。なお、今回はノーハンデのレース。第3戦を完走したことで、しっかりと得られたデータをもとに13kg軽くなったことにも対応したセットアップが施されている。


■予選結果 18th(1'47"967)

土曜日も天候に恵まれたが、日曜日はそれ以上。サーキット上空には雲ひとつ浮かんでおらず、文字通りの秋晴れとなっていた。まさに絶好のレース日和でありスタンドにも大観衆が押し寄せてもいたことから、今季最後の戦いというシチュエーションを醸し出していた。


早朝からの予選はもちろんドライコンディションで競われた。同じドライバーが連続して予選に挑めないこともあり「JMS LMcorsa 488 GT3」のシートについたのは都筑だ。前日の第3戦決勝レースでは新田よりも長い周回を重ねており、異なるコンパウンドのタイヤを使用していても遜色のないラップタイムを刻んでいたことから、上位グリッドの獲得に期待が込められた。


計測開始と同時に都筑はコースイン。アウトラップだけでなく、もう2周をウォームアップに充てて、しっかりとコンディションを整えていく。そしてい よいよアタック開始。まずは1分48秒701を記し、次の周には48秒092にまで短縮する。1周をクールダウンに充てた後ラストアタックでさらにタイムを縮め1分47秒967をマークしたが、ドライコンディションでの予選は昨日以上の激戦となり「JMS LMcorsa 488 CT3」は最終戦の決勝レースに18番手から挑むことになった。


■決勝結果 リタイア(12laps)

この最終戦も予選の後にフリー走行が設けられていなかったため、 ウォームアップが15分に渡って実施された。まずはスタートを担当する都筑が最初に「JMS LMcorsa 488 GT3」に乗り込み、コースオープンと同時に走行を開始。すぐにピットに戻ってドライバー交代の練習も行なって、そこからは新田がドライブ。1分51秒525をベストに、コンスタントに5周の計測ができ、準備万全であることを強くアピールした。


ウォームアップ終了後「JMS LMcorsa 488 GT3」はグリッドに並べられた。気温、路面温度とも土曜日より上がっていたが、もちろん想定の範囲内。いくつかのセレモ二ーが行われた後、いよいよ都筑はエンジンに火を入れる。栃木県警の白バイ、パト力ーによるパレードランが1周行われ、その後にフォーメイションラップが行われる。ホームストレートに戻って、グリーンシグナルの点灯と同時に今季最後の決戦がスタートした。無事オープニングラップをクリアした都筑は、ややポジションを落としはしたが、そこからの走りは安定そのもの。反撃の機が熟するのをしっかりと待っているかのような印象すらあったほどだ。

しばらくは単独走行だったが、10周目を過ぎたあたりから前方との差を詰めていき、14番手を争う集団の背後につけるまでに。間もなくチャンスが訪れるのは必至だった。ところが、13周目に差し掛かった時、「JMS LMcorsa 488 GT3」の姿が、その集団の中にない。そして、無情にも場内アナウンスがヘアピンのイン側に止まったことを伝えてきた……。 駆動系のトラブルが発生し、都筑が自らの判断で最も安全な場所にマシンを止めていたのだ。ここまでの7戦すべて最後まで走ってチェッ力ーを受けてきただけに、最終戦にまさかのリタイアという残念な結果で終わることになったが、2016年のスーパーGTはこの戦いで全スケジュールを終了。必ずリベンジを果たすため、またさらなる飛翔を果たすため、来たる新たなシーズンもLMcorsaはサーキットに戻ってくる。まずは今シーズンチームを支えてくれた、スポンサーをはじめとする全ての方々の1年間の応援に心から感謝したい。


■チーム監督 小林 敬一


なんとも残念な幕切れとなってしまいました。まったく予期せぬトラブルで、まだバラしてみないと正確には分からないのですが駆動系の、そこは絶対に壊れないはずの部分が突然壊れてしまったので、これはついていないとしか言いようがありません。ここまで決勝では必ず最後まで走っていたのに、ここに来て「まさか……」という印象です。ただ、ひとつ言えるのは、みんな頑張ってくれていましたし、誰も手を抜いてはいなかったので、そういう意味ではみんな上を向いて帰れるとは思うんです。来年はいいシーズンにしたいと思います。まだ今後のことは何も決まっていませんが、引き続き参戦することは間違いありませんので、来年も引き続きの応援お願い致します。


■ドライバー 都築 晶裕


レース序盤、ダウンシフトが出来ずに頂位を落としてしまいましたが、その中でもいいラップタイムが刻めており、今からというところで駆動系にトラブルが発生してしまいました。いいところまで行けるのかなと期待をしていたんですが、非常に残念です。最終戦なのに後味の悪いレースでしたので、また来年、フェラーリを使って走るようなことがあれば、さらに上を目指して今年1年間の反省を来年につなげたいと思います。応援ありがとうこざいました。


■ドライバー 新田 守男


状況が僕には何も分からないのでコメントしようがないんですが、かなり残念な結果になってしまいました。ここまでずっとチェッ力ーを受け続けてきたので、最後もそうできなかったことが悔やまれますが、応援してくださった皆さんとチームのスタッフ、この1年間本当にありがとうこざいました。非常に感謝しています。


■エンジニア 成澤 健二


これから帰っていろいろと細かく見ないと正確には分からないのですが、駆動系にトラブルが生じてしまいました。今まで全然壊れていなかった部分なのに……。ここまで決勝では大きなトラブルはなく全戦完走してきたので、最後にこうなって残念です。ですが、今シーズン得たものは沢山あるので、来年同じ体制でレースができればもっと良い結果が残せると思います。1年間応援ありがとうこざいました。