SUPERGT 第4戦SUGO、TOTOTA PRIUS apr GT 31号車、6位入賞


2017 AUTOBACS SUPER GT
ROUND 4 スポーツランドSUGO

開催地:スポーツランドSUGO宮城県)/3.704km
7月22日(予選)天候:曇り コースコンディション:ドライ 観客数:9,600人
7月23日(決勝)天候:雨のち曇り コースコンディション:ドライ 観客数:26,200人


決勝レース(81周)7月23日(日)14:30〜


日曜日は予報どおり、雨に見舞われることとなった。それでもスタート進行の開始とともに行われる20分のウォームアップの頃には雨はやんでおり、それぞれウェットタイヤからの走り出しとなったが、徐々にタイムは上がっていった。しかし、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」の久保選手は、走り始めてすぐ2コーナーでコースアウト! 幸い、それから間もなく赤旗が出されたこと、また自力での脱出なったことで、再開後の走行が許された。最終的には1分30秒006を記すに至り、2番手につけることとなった。


その久保選手が今回もスタートを担当。問題はタイヤチョイスだった。グリッドに「#31 TOYOTAPRIUS apr GT」が並べられた段階では、もうドライタイヤで十分走行可能な状態にまで路面は乾いていたが、レーダーは近くまで雨雲が近づいていることを伝え、いつ降り出してもおかしくなかった。しかし、フォーメイションラップが近づき、いよいよポツリポツリと……。そこで迷わず、ウェットタイヤを装着することとなった。GT300では3台だけがドライタイヤを装着。


早々に結論を言えば、ウェットタイヤの選択は大正解。パレードラップ、フォーメイションラップのうちに雨は勢いを増し、予想以上に路面に水を浮かべていたからだ。ドライタイヤを選んだ車両はコーナーでアクセルを踏むことすら許されず。そんな厳しい条件の中、久保選手はスタートを決めて、ポジションキープし1コーナーに飛び込んでいくも、オープニングラップのうちに1台に抜かれてしまう。それでも3番手を争う集団の中で、ポジションアップの機会を虎視眈眈と待ち続ける。5周目から5 周に渡り、最終コーナーでのアクシデントの発生でセーフティカーがコースイン。


リスタート後に2番手の車両が接触で後退、しかし13周目に1台の先行を許したことからポジションは7 番手のまま。そして、ひとつでもポジションを上げたいという思いは裏目に出て、18周目の2コーナーで久保選手は再びコースアウトしてしまう。すぐに復帰できたのは良かったが、これで20番手にまで後退。ただし、ここからの挽回も激しく、25周目には9番手にまで返り咲く。


その後、1台が早めのドライバー交代を行なったこと、そして35 周目には「GAINER TANAX AMG」を抜いて7番手に浮上。それから間もなく2回目のSC ランが。すでに雨は上がって、もはやドライタイヤでも十分走行可能な状態になっていたこともあり、SCラン終了後の44周目に「#31 TOYOTAPRIUS apr GT」は7番手でピットに戻ってくる。


素早い作業で嵯峨選手は、同じタイミングでピットに入ってきた車両より前でコースに戻るも、他メーカーのタイヤとの温まりの違いもあって、コース上で抜き返されたのはやむを得まい。それでも、まだドライバー交代を行なっていない車両を除けば、6番目でレースを折り返す格好となった。そして、その2周後にまさか3度目のSCランが行われようとは! これによりコースにステイしていた、それまでのトップ3は完全に勝負権を失っていた。


その後は前後ともに間隔が空いて、淡々と周回が重ねられていくこととなるが、しっかりとポジションをキープ。76周の走破を果たして、6位でゴールすることに。そして久々の入賞を果たすこととなった。次のレースはわずか2週間後に、富士スピードウェイで行われる。



嵯峨宏紀選手

「いろいろ反省しなければならないことが凛太郎にはあるでしょうし、うまくまとまれば表彰台には上がれたんじゃないかと思います。ただ、ちょっと僕らにとって不運だったのは、後半路面が乾いてきて、そういうシチュエーションになった時、アウトラップはどうしても僕ら以外のタイヤが速いという部分で、ピットから出ていった瞬間にごぼう抜かれという状況でした。そこが残念でしたが、後半のペースがなかなか上がらなかった部分もありましたので、ブリヂストンさんも含めて、これからしっかり開発して、いい状況を作って後半戦に臨みたいと思います。今回はとりあえず、反省材料しかありません。」


久保凛太郎選手

「TOP 集団とバトル中に僕のスピンで20番手まで落ちたのが全てでした。前が開ければいいペースで走れるんですが、ペースが同じぐらいのGT3勢が一緒だと難しかったです。僕はトップレベルのドライバーとマシンの集団とのバトルの仕方をもっと勉強しないといけません。でないと、抜けないし、無意味な接触もしちゃうし……。それで抜けないから焦って、あんなスピンをしてしまって。反省ばかりのレースでした、本当に申し訳御座いません以外の言葉が出てきません。」


金曽裕人監督


「ウェットの時のブリヂストンタイヤのパフォーマンスは、予想どおり良かったです! ただ、ひとりで暴れている奴がいたので、しっかり教育しないと必然的に戦力外通告となります。凛太郎はいいものを持っているんですが、荒削りどころか、まだ削るところまで行っていません。そうは言いつつ、彼を選んだのは我々なので、もっとクリーンなバトルができる、速くてかっこいいドライバーにしていきます。次の富士、鈴鹿で一皮剥けた、久保凛太郎を見せられるようにしてみせます。今日は表彰台を取らなければならない大事な大事なレース。これだけの応援してくれる人たち、ご協力いただいてる企業の皆さまの前で、それができなかったのが残念でなりませんし大反省です。とはいえ、宏紀がうまくリカバリーしてくれ彼はマシン、タイヤのパフォーマンスをすべて発揮させてくれたと思っています。」