シトロエンDS3 WRCオイル事情

シトロエン・レーシングのチーフエンジニアが、使用しているエンジンオイルに
関して次のようなコメントをしています。


2011年はレギュレーションの変更により、エンジンキャパシティが2.0Lから1.6L
にダウンサイジングされ、パワーバンドが狭くなり、使用する回転域も高くなるが、
エンジンの信頼性を損なわずに2010年と同じレベルのエンジンパフォーマンスを
維持したいと考えている。そして、特にエンジンの信頼性の向上を重要視している。
今年は少なくとも3戦連続して同一エンジンを使用しなければならず、更に、
サービスパークを出発した後は、エンジンをメンテナンスする機会がほとんど
無いような状態にある。このように、エンジンにとって非常に厳しい条件と
なるため、エンジンの信頼性を向上させることは非常に重要なのです。

直噴ターボにより、燃焼室内やピストンリングに燃えカスが堆積し易くなっている。
これは、エンジンオイルに含まれる添加剤が影響を与えているが、TOTALの添加剤
技術により、燃焼など高温時に発生する堆積物を減らすことに成功し、エンジン
のパフォーマンスと信頼性の向上に大いに役立っている。


また、DS3 WRCは市販車の冷却機構とは異なったクーリングシステムを採用して
いるため、特に、走行後にエンジンを停止した時に少量のオイルがターボ内に
入り込んだ際に、そのオイルが超高温下で骸炭化することで、ベアリング等に
ダメージを与えてしまう。
これに関しても、TOTALと共同で開発をすることで解決策を見出すことができた。

現在、我々は2012年シーズンを見据えた開発をTOTALと一緒に行っている。
その主な目的は、エンジンの信頼性を犠牲にしないでオイルの粘度を下げ、
機械的フリクションを低減させることです。
そのため、我々は共同で各種テストを実施しています。



By ZX