「2022 SUPER GT Rd.1 OKAYAMA」#31レースレポート

2022 AUTOBACS SUPER GT Round1
OKAYAMA GT 300km RACE

開催地:岡山国際サーキット岡山県)/ 3.703km

4 月16 日(予選)
天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:6,600 人

4 月17 日(決勝)
天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:12,500 人


4 年目のPRIUS PHV、
依然として厳しい戦いを強いられる中、しっかり完走果たす

新型コロナウイルスが猛威を震い始めて、早くも3 年。2022 年の今年も海外戦は見送られたが、徐々にサーキットは平常を取り戻しつつあり、予定どおりスーパーGT は全8 戦のシリーズとして、岡山国際サーキットから「OKAYAMA GT 300km RACE」として幕を開ける。今年もapr は2 台体制で挑み、「apr GR SPORT PRIUS GT」を託すのは、コンビ結成4 年目の嵯峨宏紀選手と中山友貴選手。そしてタイヤは引き続き信頼と実績のブリヂストンを使用する。嵯峨選手と中山選手の昨シーズンは、山あり谷ありというか、ほとんど谷の中で過ごさざるを得なかった。全戦で完走を果たすも、厳しいBoP によって、なかなか入賞できずにいたからだ。唯一の山となったのが、オートポリスでの第6 戦。今や唯一無二となった搭載するハイブリッドシステム、そしてそれを活かすための改良がついに実を結び、ポール・トゥ・ウィンを達成!しかし、ようやく……の思いとは裏腹に、ラスト2戦はライバルもサクセスウエイトの半減、そしてゼロになったことで、再び苦戦を余儀なくされることとなった。今年も総じてGT300 規定車両に対し、昨年以上のBoP から「apr GR SPORT PRIUS GT」が例外になるとは思い難いものの、ポテンシャルの高さは証明されている。あとは機の熟すのを待つだけだ。

 

決勝レース(82 周) 4 月11 日(日)14:00~
日曜日の岡山国際サーキットも天気に恵まれ、観客席には多くのファンが。ピットウォークも一定距離を保つなど、いくつか制約はあったが再開されて、サーキットが活気を取り戻しつつあるのを大いに感じさせた。決勝レース前のウォームアップで「apr GR SPORT PRIUS GT」を最初にドライブしたのは、スタート担当の嵯峨選手。1 分29 秒783 を記したところで中山選手に交代し、終了間際には1 分29 秒055 をマークして、最終チェックを完了させることとなった。ポジションキープとなる22 番手からレースを開始した嵯峨選手は、悲しいかな、淡々と周回を重ねていくのみだった。GT300 規定車両に対するBoP による性能抑制が、予選以上に決勝レースで影響を及ぼしていたからだ。ストレートではFIA-GT3 車両に太刀打ちできず、コーナリングもタイトなコースレイアウトで、稼ぎどころを奪われていた。タイヤもまたフレッシュなうちは想定どおりのペースを刻んでくれるのだが、気温は23 度、路面温度は32 度まで達したことで、やがて本来の性能を発揮させなくなるという、まさに三重苦状態だ。そこでドライバー交代が可能になった、26 周目には「apr GR SPORT PRIUS GT」をピットに戻し、規定で義務づけられたタイヤ4本交換を行なって、中山選手とともにコースに送り戻す。この間にほぼ最後尾まで後退する。ライバル車両がドライバー交代を済ませるたび、順位が上がっていくことが期待されるも、それさえかなわぬ歯がゆい展開を中山選手は余儀なくされていた。抜かれることはあっても、抜くことはまったく許されないのだ。終盤のGT300 クラスにはアクシデントが多発したため、最終的に19 位という結果を得るが、完走して新たなデータを獲得した、というだけのレースだったのは否めない。次回のレースは5 月3~4 日に、富士スピードウェイで行われる。なんらかの打開策が見出せれば……。

嵯峨宏紀選手
ひとりだけ極端に遅い感じで、淡々と走るしかありませんでした。ハイブリッドもブレーキもタイヤもパフォーマンス的には問題なかったので、いろいろドライビングでトライしましたが、現状は戦闘力ゼロに等しいかな、という状況です。その中でやれることはやってみましたが、想像以上に本当に厳しいです。作戦もショート、ロングのイレギュラーを実行して少しでも上を目指しましたが……。ただ、参加しただけのレースになってしまい、応援下さる皆様に申し訳ないです。

中山友貴選手
僕はロングスティント行ったんですけど、速さが足りていないという感じでした。タレの少ないタイヤで、いろいろ車内のスタビをいじったり、ABS だったり、ハイブリッドのマップをコーナーごと合わせながら、今後にフィードバックできればと思って走り続けていました。次の富士には少しでも望みを見出したいと思います。

金曽裕人監督
う~ん、勝負できるパフォーマンスを持っているかというと今は遠いです。新しい考え方で、新しいデバイスを考えないと、たぶん相当厳しいな、というのが正直なところです。特に、最高速の差が大きく、重量級であることからコーナーのアドバンテージも低く、今は勝負にならない。今回、やりたいと思ったところには全部タマを撃ちましたけど、『それでも、このレベルか……』といったところでした。重量に対してのパフォーマンスが、全然バランスしていませんので戦いの場に居ないのは事実。今年もまた、去年の初めと同じぐらいに大きくリセットな状況。その苦しい中でも光を見つけ出し、新たなテクノロジーを発見するのが我々だと思います。次戦の富士もGT300 規定車両は厳しさが予測されますが、僕は前向きですので応援下さる皆様と一緒にトライしたいと思います。