シトロエンDS3 WRCオイル事情2

2011年もシトロエンとローブがWRCでタイトルを獲得し、ローブは8連覇を達成しました!

TOTALオイルもWRCを8連覇ということで、当社オイルのパフォーマンスの高さ
を証明できたと思います。
さて、前回、シトロエンDS3 WRCに使用されているオイルについて書きましたが、今回は
その追加情報です。
信頼性を損なわずに、粘度を下げてエンジンパフォーマンスを向上させるように
オイルを開発しながら、燃焼室内のデポジットの堆積を減らすことができる添加剤
の開発が重要になっているそうです。
また、インジェクターへの汚れの付着も問題になるようです。
これらは、直噴ターボによる影響が大きく、日本でも数年前から発売されている
1.6Lターボエンジンを搭載しているプジョー207をはじめ、シトロエンDS3も同様
に燃焼室内のデポジットインジェクターの汚れの付着が懸念されます。
それを改善するには、オイルに含まれる灰分(Ash)を減らすことが重要です。
市販車用オイルは、Low SAPS(ローサップ)と呼ばれる、低硫黄、低灰分、低リン配合
になっているQUARTZ INEO ECS 5W30が指定になっています。
WRCマシンのDS3も実はINEO ECS と同じように低灰分の処方になっていて、エンジン内部
の汚れを減らすようになっているそうです。
レーシングエンジン用のオイルは、これらの物質をたくさん入れて潤滑性能を重視
しているのかと思いましたが、本当は市販品であるQUARTZシリーズによく似た
処方になっているのです。


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