2017 SUPERGT 第6戦鈴鹿、INGING NOTORSPORT Ferrari 488 GT3、16位。

2017 SUPER GT
INGING MOTORSPORT
第6戦 鈴鹿サーキット レースレポート


◆ 8月27日 (日) <決 勝> 天候:晴れ | コース状況:ドライ
#50 Ferrari 488 GT3 16位
#50 Ferrari 488 GT3 都筑 晶裕 / 新田 守男


真夏の3連戦を締めくくることになる「第46 回インターナショナルSUZUKA 1000km」。事前の公式テストでトップタイムをマークしたFerrari 488 GT3は、相性の良いサーキットということで上位進出を狙い26日(土)におこなわれた予選に挑んだ。ただ、夏場の気温に合わせた持ち込みのセットアップがコンディションと合わず、公式練習の後に公式テストのセットアップに戻しぶっつけ本番で予選Q1 を戦うことになったが、首尾よく新田守男は11番手で予選Q1 を突破。予選Q2を担当した都筑晶裕が12 位を獲得した。


迎えた27日(日)の決勝は、突然の雨が降った予選日とは異なり朝から夏の日差しがサーキットを照り付けた。10時55分からのウォームアップ走行時には、すでに気温は30℃を超え、路面温度は45℃まで上昇した。20分間のウォームアップ走行は、まずスタートドライバーを務める新田がFerrari 488 GT3に乗り込み5周を周回。その後、都筑もステアリングを握りウォームアップ走行を終えた。



1000km(173周)の長丁場となる決勝レースは、定刻通りの12時30分に三重県警の白バイとパトカーの先導によるパレードラップでスタートした。


スタートドライバーを務めた新田は、安定したラップタイムで周回を重ねトップ10圏内が見える位置でレースを展開し、各車のピットインが始まると20周目には9番手まで順位をアップさせる。チームの戦略としてはなるべくこのスティントで周回を重ねて都筑にバトンタッチする予定だった。だが、20周を過ぎるとタイヤの摩耗が激しくなり、ペースも序盤より3秒〜4秒ほど落ちてしまう。そのため、予定を変更して25 周目にピットインを行ない、都筑がFerrari 488 GT3に乗り込む。コンスタントに周回を重ねていた39周目に55号車が最終コーナーでクラッシュしたために1回目のセーフティカーが入る。これで、先行車とのギャップも縮まり44周目にレースはリスタート。リスタート後は15番手付近を走行しペースも安定して2分4秒〜5秒台で周回する。52周目には2回目のピットインを行ない、再び新田がステアリングを握る。第1スティントでタイヤが持たなかったために、チームはもっともハードなタイヤを選択しFerrari 488 GT3を送り出す。57周目にはベストタイムとなる2分2秒970をマーク。ピットインのタイミングで一時は22番手まで順位を落としていたが、60周目には21番手、65周目には18番手と徐々に順位を上げていく。



第1、2スティントとともに想定よりも短い周回でピットに入ったため、新田がステアリングを握るこのスティントでは周回数を稼がないと終盤の戦略が難しくなってしまう。そのため、新田は32周を周回し85周目に8番手で都筑にバトンを渡した。しかし、このピットストップで作業に手間取り約1分半のロスタイムを喫してしまう。ピットアウト直後に2回目のセーフティカーが入ったことも裏目となり、リスタートとなった93周目には19番手ながらもトップから2ラップダウンとなってトップ争いへの勝負権を失ってしまった。


それでも都筑は懸命に同一周回の先行車を追いかけ112周目に17番手でピットインし、新田が自身の最後となる第5スティントを走行。レースも終盤を迎えたが路面温度は下がることがなく、依然としてFerrari 488 GT3はタイヤの摩耗と戦うことになる。ベストなパフォーマンスが発揮できないながらも2分3秒台〜5秒台で走行し、134周目にピットイン。最終ドライバーとなる都筑に乗り換えチェッカーを目指した。141周目には自身のベストタイムとなる2分3秒621をマークしたが、それでも順位を上げることは叶わず16位でゴールとなった。



ドライバー/都筑 晶裕

予選の車の動きからレースではうまくいけば上位で戦える感触があり今回多くのフェラーリオーナーや関係者、地元の友人に応援に来てもらっていたので、何とか結果を出して終盤戦に繋げたいと思っていましたが、結果が出せずに残念なレースでした。また、メカニック及びスタッフは1000km という長丁場のレース、猛暑の中で一緒に戦ってくれたので感謝しています。まず、最初に乗り込んだセカンドスティントは途中でセーフティカーが入ったため前とのギャップが詰まり追い上げようと思ったのですが、タイヤが熱ダレを起こして本来のグリップがなく、思うようなペースが出せず我慢の走行でした。次に乗った4 スティント目は、ピット作業でロスがあってラップダウンになってしまい、同一周回のマシンとしか戦えないのでこちらのペースが良くても、ペースダウンし他車を先行させなければいけないという、苦しい厳しい状況でした。最終スティントでも上位争いをしている車両を先行させる走行をしなければいけない状況は本当に悔しかったのですが、その中でもラップタイム的に良かった点もあったので、終盤戦この悔しさをばねに頑張ります。



ドライバー/新田 守男

とにかく決勝レースはタイヤ選択に泣かされました。予選では、セットアップの変更でぶっつけ本番になったにも関わらず、フィーリングも良く想定以上にタイムも出ました。ですが、1 スティントの周回数が増える決勝レースになると全く印象が変わってしまいました。スタートのスティントでは、前後のタイヤが20周目からブローしてしまい、マシンをコース内に留めるのがやっとの状況でした。次のスティントからは最もハードなモデルを履いたのですが、それでもリアタイヤがブローしてしまって、周回を重ねていくとタイムがガクンと落ちてしまいました。SUZUKA1000kmは何度も出場してきたレースですが、その中でも今回はかなり過酷なレースでした。



監督・エンジニア/伊藤 宗治

今回は持ち込んだタイヤが2タイプあったのですが、どちらも決勝レース中にパフォーマンスを発揮することができず、勝負することができませんでした。戦略としては、スタートドライバーの新田選手で引っ張れるところまで走ってもらうつもりだったのですが、20周目あたりから熱ダレと高負荷によるブローが発生して25周でピットインをせざるを得ない状況でした。その後は、2回目の新田選手から都筑選手に変わるピットインで作業のミスがあって周回遅れとなってしまいました。路面温度が低くなってからもタイヤブローの傾向は変わらず、ドライバーには過酷な戦いをさせてしましました。次戦のタイラウンドも気温が高いので難しい戦いとなりそうですが、対策を検討して少しでも上位を狙っていきたいです。